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耳鼻咽喉科・頭頸部外科

医師紹介

耳鼻咽喉科・頸部外科部長

玉江 昭裕

診療内容の概要

耳鼻咽喉科・頭頸部外科は現在耳鼻咽喉科学会認定専門医および指導医、頭頸部癌治療専門医を含む5名(平成26年11月現在4名)で、耳鼻咽喉科・頭頸部外科全般に対する治療を行っています。伝統的に福岡都市圏における神経耳疾患のメッカとしての耳科手術、鼻副鼻腔内視鏡手術のパイオニアとしての鼻副鼻腔手術をはじめとした良性疾患の豊富な手術件数を誇ってきましたが、それに加えて平成21年より新しく診療科として“頭頸部外科”が加わりました。これにより良性疾患に加えて、悪性疾患(頭頸部癌)も治療対象となり、咽頭癌、喉頭癌、舌癌、甲状腺癌、鼻副鼻腔癌などほぼすべての頭頸部癌が治療可能になりました。なお、当院は頭頸部外科学会の“頭頸部癌治療認定施設”で、化学療法を受ける患者さんとあわせて100例超の新患を毎年受け入れています。

平成25年の総入院数は682例で、ほとんどすべての耳鼻咽喉科・頭頸部外科領域の疾患が治療対象となっています。手術例数はここ数年年々増加傾向で、手術室症例だけでも平成25年は511例、本年度は600例を越す見込みです(図1:暦年表示で年度表示とは異なります。平成26年は見込みです。外来手術は含みません。同一症例複数の手術は代表的手術のみをカウントしています。)

図1 手術室における手術施行件数の年次推移

図1 手術室における手術施行件数の年次推移

頭頸部癌治療は治療成績を落とすこと無く、摂食嚥下、発声、呼吸など生命維持のための様々な機能を、より高度なレベルで維持することが重要で、従来の拡大手術の概念から近年大きく変貌しました。当科では一例として耳下腺癌の集学的治療に力を入れており、病理診断医の協力で詳細な生物学的悪性度解析による治療の最適化、高悪性度癌には形成外科医師と共同で行う遊離大腿筋皮弁による再建、腫瘍内科と密接な連携を保った術後化学療法などで、症例数ともに国内トップレベルの医療を提供しています。また、嗅神経芽細胞腫などでは脳神経外科医師とともに、前頭蓋底手術を行っている他、ナビゲーションシステムを用いた鼻副鼻腔悪性腫瘍手術(図2:現在のいわゆるtype V手術)なども積極的に行っています。また、中咽頭前壁癌や上顎癌などは放射線科血管内治療医と協力し、動注化学療法により臓器温存を目指しています。近年頭頸部癌にも分子標的治療の適応が広がり、遺伝子解析に基づいた放射線化学療法の最適化についても、倫理委員会の承認をえて現在検討が始まっています。

図2 ナビゲーションシステムを用いた頭蓋底進展鼻副鼻腔悪性腫瘍手術(嗅神経芽細胞腫)

図2 ナビゲーションシステムを用いた頭蓋底進展鼻副鼻腔悪性腫瘍手術(嗅神経芽細胞腫)

当施設は日本耳鼻咽喉科学会認定研修施設、頭頸部癌治療認定施設であり豊富な症例と医療資源を有効に利用すべく、学会発表なども可能なかぎり行っています。さらに週4回の外来カンファレンスで新患全例の診断治療を検討し、腫瘍カンファレンス、放射線治療カンファレンス、術前カンファレンスなど、研修医を含む若手医師の教育にも力を入れています。

耳科手術は福岡県下有数の手術例数を維持しています。慢性中耳炎、真珠腫性中耳炎の治療はもちろん、耳硬化症や聴器癌の治療(側頭骨悪性腫瘍に対する側頭骨部分切除術)もおこなっています。平成25年は病院移転の影響で例年よりも少ないものの、77例の耳科手術(鼓膜チューブ留置術、鼓膜切開術を除く)を行いました。

主な対象疾患

急性、慢性、滲出性中耳炎、真珠腫性中耳炎、顔面神経麻痺、難聴など

副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎、肥厚性鼻炎、鼻中隔彎曲症など

のど

扁桃炎、アデノイド、いびき、睡眠時無呼吸症候群、声帯結節、声帯ポリープなど

腫瘍

口腔(舌)、咽頭、喉頭、鼻・副鼻腔、唾液腺、頸部(甲状腺、リンパ節)、良性、悪性腫瘍

耳疾患

慢性中耳炎、真珠腫性中耳炎に対する鼓室形成術を行っています。症例によって短期入院による治療も行っています。

鼻疾患

内視鏡手術を積極的に行っています。これまで内視鏡のみでは困難であった一部の症例でもナビゲーションを併用することによって安全に手術を行うことが可能となっています。頭蓋底に進展する鼻腔癌に対しても内視鏡下に可能な限りアプローチしています。

頭頸部癌

頭頸部領域とは脳実質、脊椎、眼球を除く鎖骨より上方の部位をさし、顔面頭部から頸部全体が含まれます。ここに生じる固形癌を総称して頭頸部癌と呼んでおり、耳鼻咽喉科・頭頸部外科が中心となって診断、治療を行っています。主な部位として鼻・副鼻腔、口腔、咽頭、喉頭、唾液腺(耳下腺、顎下腺など)、甲状腺が挙げられます。頭頸部領域には「食べる」「しゃべる」といった重要な機能があります。そのため悪性腫瘍(がん)の治療においては、治療成績向上とともに機能形態温存を目的として、進行度を考慮した上での放射線治療、化学療法、手術療法を組み合わせた集学的治療を行っています。

特徴・特色

  • 耳鼻咽喉科学会専門医(3名)、頭頸部外科学会頭頸部がん専門医(2名)認定施設です。
  • 年間約600例の手術実績があります。
  • 副鼻腔炎手術にはナビゲーションシステムを用いた内視鏡手術を行っています。
  • アレルギー性鼻炎に対し外来にてアルゴン凝固装置を用いた治療を行っています。
  • 他科と連携し、頭頸部悪性腫瘍に対する放射線、化学療法および再建を要する手術も行っています。
  • 進行上顎洞、中咽頭前壁癌に対しては機能温存目的に動注化学療法を併用した放射線化学療法を行っています。
  • 分子標的治療を併用した放射線治療も積極的に行っています。

診療実績(平成25年度)

  • 総入院数:682例
  • 手術症例:511例

主な手術内訳

耳疾患

  • 鼓室形成術:77例(乳突洞削開併施:33例)
  • 鼓膜形成術:22例
  • アブミ骨手術:1例
  • その他耳手術:19例

鼻疾患

  • 内視鏡下鼻副鼻腔手術:85例
    (鼻中隔矯正、粘膜下下鼻甲介骨切除併施:31例、好酸球性副鼻腔炎手術:17例)
  • 後鼻神経切断術:6例(難治性アレルギー性鼻炎に対する)

咽頭疾患

扁桃腺摘出術:85例(アデノイド切除併施:8例)

喉頭疾患

ラリンゴマイクロ手術:47例(レーザー併用腫瘍切除術含む)

腫瘍性疾患

  • 甲状腺手術:21例(うち悪性:10例)
  • 耳下腺手術:26例(うち悪性:10例、神経再建:2例)
  • 顎下腺手術:12例(うち悪性:2例)
  • 口腔、咽頭腫瘍摘出手術(舌など):18例(うち悪性:10例、再建:3例)(レーザー併用腫瘍切除術含む)
  • 喉頭、下咽頭悪性腫瘍手術(再建を含む):10例(レーザー併用腫瘍切除術含む)
  • 喉頭悪性腫瘍手術(全摘):6例
  • 鼻副鼻腔悪性腫瘍手術:4例
  • 広範囲頭蓋底腫瘍切除・再建術:2例
  • 頸部リンパ節郭清:22例
  • 縦隔悪性腫瘍手術(縦隔気管孔形成術含む):2例
  • 頸部食道癌切除術:2例
  • その他頸部手術(側頸嚢胞、正中頸嚢胞など):25例

手術以外の主な入院疾患

突発性難聴、顔面神経麻痺、急性扁桃炎、扁桃周囲膿瘍、腫瘍性疾患に対する放射線治療、化学療法など